地球温暖化という意味では、夏だけでなく年間を通じた気温の変化にも注目したい。そこで、1年の平均気温のデータをダウンロードし、同じようにグラフを作ってみた。だが、結果はあまり変わらなかった。

 「昔に比べて暑くなっているという声をよく聞くけれど、気温データを見る限りそうともいえない」。ここまでの事前作業からは、そんな結論が導き出された。仮説が裏付けられなかったのは残念だが、これも1つの気づきだろう。

別のデータに着目してみる

 そしてイベント当日。会場には、それぞれの事前準備の成果を持った親子が集まった。これから半日をかけて、ポスター作りに挑む。

 サポート役として、各テーブルにSASの社員がついてくれる。参加者が提出済みの事前準備の結果を把握した上で、アドバイスやヒントを出すのが役目だ。

 記者と娘のサポート役を務めてくれたのは小野さん。「確かに最高気温や平均気温だけでは、昔より暑くなったかよく分からない。では改めて、人が“今年は暑い”と感じるのはどんなときかを考え直してみよう」とのアドバイスをくれた。

 娘は小野さんと会話をしていくうちに、「ものすごく暑い日、つまり猛暑日と熱帯夜が多い年ほど、人は暑いと感じるのでは」との気づきを得る。改めて気象庁のWebサイトを見てみると、まさにピッタリのデータを簡単に入手できることが分かった。最高気温が35度以上の日(猛暑日)の日数と、最低気温が25度以上の日(熱帯夜)の日数を、月別にダウンロードできるのだ。これは便利だ。

SAS社員のアドバイスを受けて、気象庁のWebページを再度探索。猛暑日と熱帯夜の日数を、月ごとにダウンロードできることを発見して感動

 そこで、1968~2017年の50年間の、7~9月のデータをダウンロード。大きな紙にプリントアウトし、娘が電卓を使いながら集計する。書き込まれた数字を追っていくと、猛暑日も熱帯夜も、年を追うごとに見事に増えている。つまり、「暑い日は確実に増えている」ことが分かった。

真夏日と熱帯夜は年を追うごとに増えていた。具体的な日数をグラフに表す

 分析の視点を変え、データを集め直すことで、「昔に比べて暑くなっている」という仮説の一部が裏付けられたわけだ。データの選び方によって全く異なる結論が導き出されることを身をもって理解できたことは、記者にとっても勉強になった。