伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2018年6月26日、同社が開発した小学生向けプログラミング教材「みんなでチャレンジ!ITエンジニア」を利用した出張授業を実施した。2020年に小学校でのプログラミング教育が必修化されるのを見据えて開発したもので、パソコンやタブレットを使わずにプログラミング的思考を学べる。出張授業では、東京都江東区立砂町小学校の5年生の児童が課題に挑んだ。

東京都江東区立砂町小学校での授業の様子。5年生の児童が、社会科の「産業や情報化を扱う単元」の授業2コマ分で体験した

 みんなでチャレンジ!ITエンジニアは、荷物の配達システムをテーマにした教材。ITエンジニアとして運送会社から相談を受けた児童たちが、最適な配達ルートを考えるという設定だ。センサーを搭載した小型ロボット「Ozobot」を使って、3カ所の配達先を効率的に回れる道順を導き出す。

 「右に曲がる」「荷下ろしのために一時停止する」などのロボットの動きは、4種類のカラーコードで制御する。このカラーコードを道路上に置いて、ロボットを右左折させたり、停止させたりする仕組みだ。

黒線で描かれた道路の上に、4種類のカラーコードを置いてロボットを制御する

 児童は4~5人ずつのグループに分かれて、課題に取り組んだ。意図通りにロボットを動かすにはどのカラーコードをどこに置けばよいか、どう組み合わせれば効率的に配達できるか、メンバーで意見を出し合う。そして実際にカラーコードを置いてロボットを動かし、動きを確かめて修正する。こうした作業を通じて、プログラミング的思考力を身につける。

グループで意見を出し合いながら試行錯誤する

 授業ではどのグループも、協力し合いながら試行錯誤を重ねていた。途中、休み時間を挟んだが、ほぼ全員が手を休めることなく作業に熱中する様子が見られた。

 授業の終わりには、グループごとに最短ルートを発表した。「道路を曲がるとその分時間がかかることに気づいたため、できるだけまっすぐ進めるルートを選んだ」「地図をブロックごとに分けて、それぞれ最も短く回れる道順を考えた」など、思い思いの仮説を立てて工夫を重ねた様子がうかがえた。

ストップウォッチを持って時間を測定。最短ルートを導き出す

 みんなでチャレンジ!ITエンジニアは、CTCの物流向けソリューション「MAMS」を題材に開発した。「ITが身近に使われていること、世の中を便利にするために役立っていることを理解してもらいたい」(同社)との狙いで、配達システムをテーマにしたという。

 教材の開発には、企業と連携した授業開発に取り組むNPO法人、企業教育研究会の協力を得た。2020年のプログラミング教育必修化に向けて、授業に採り入れやすい教材にすることを重視。社会科の授業「産業や情報化を扱う単元」でそのまま活用できる内容にしたことに加え、パソコンなどを使わないため各学校のIT環境に影響を受けないことも特徴とする。

 CTCはCSR(企業の社会的責任)活動の一環として、この教材を活用した出張授業を実施する。既に複数回の実施が決まっているという。