学習効果を定量的に測る方法は?

――関連した質問ですが、プログラミングを学ぶことにより、子どもが何を身に付けたのか、何を理解したのかを定量的に測る方法はあるのでしょうか。プログラミング教育における評価についてどのように考えますか。

 よく同じ質問を聞かれるので、よい答えがあればいいなと思っています。少し哲学的にいうならば、そういうことを問う人は定量化できる部分だけを気にし過ぎています。本当に重要なことは定量化できないのです。ただ、これを言っても、定量的な評価を問う人には通用しません。

 評価ということで、ちょっと別の観点からお話しましょう。MITの教授職において、定量的な評価は存在しません。終身雇用資格を与えるときや昇進を認めるときは、評価対象となる教授の書いたものや成果で判断します。また、ピア・レビュー(教授同士による相互評価)も実施しています。MITの教授職において、定量的な評価を取り入れようという時代に逆行する動きもありますが、現時点では成果物で評価されるわけです。同様に小学校でも(定量的ではない)評価をすればよいのです。

 本当に大事なのは、目的は何かをきちんと把握することです。私の場合は、子どもたちが「クリエイティブ・シンカー」(創造的発想力を身に付けた人)になることです。

写真3●「私の目的は、子どもたちがクリエイティブ・シンカーになることです」

――目的を「論理的思考力」にしている場合も多いようです。プログラミングで論理的思考力は身に付きますか。また、論理的思考力を身に付けるだけなら、算数を学べばよいのではという意見もあります。

 プログラミングを「正しく」学んだ場合は、創造的発想力に加えて、論理的思考力も身に付くと思います。

 論理的思考力が目的の場合においても、算数に加えてプログラミングを学ぶのは有効でしょう。学びに対する意味付け、動機付けという点でプログラミングが役立つからです。