子供の絵で喜び、野良猫を防ぐ

 驚くようなアイデアを評価する「アイデア賞」は、ハッキングパパ(チーム)の「ぶうびんポスト」と、深澤舜さん(小学生)の「猫識別装置」に贈られた。

 「ぶうびんポスト」は、お絵描きや字を覚え始めた子供が、せっかく描いたお絵描きやお手紙を届けてくれるデバイス(図4)。仕事中の両親や、遠くに住む祖父母にLINEのメッセージで届けてくれる。絵を描いた紙を口に差して鼻のボタンを押すと、スキャンが始まる。

図4 アイデア賞の「ぶうびんポスト」

 二つ目の「猫識別装置」は、飼い猫と野良猫をカメラ画像で識別し、野良猫の場合はドアを閉めて家に入れないようにするものだ。野良猫がキャットフードを盗み食いしたり、家を荒らしたりする現実の課題を解決するためにアイデアを考えた。

実家のお寺を1年監視

 学生に贈られる「学生賞」では、油田一彌さん(大学院生)の「寺院安全管理システム」と、大崎歩さん(中学生)の「未記入の問題集を半自動で保存『問題集もう1回やるぞぅ』」が選ばれた。

 「寺院安全管理システム」は、実家のお寺の安全を管理するシステムで、賽銭や仏像の盗難を未然に防ぐ狙いがある。人感センサーで人を検知すると、カメラで写真を撮り、LINEや専用スマホアプリに送信する。赤外線カメラで夜間でも撮影できる。もう1年間稼働している。もう一つの「問題集もう1回やるぞぅ」は、問題集を後でやり直したいため、解答などを書き込む前の状態を自動で撮影する装置。アクリル板を自動で降ろして問題集を押さえ、奇麗に見開きの状態で撮影できる。

 新設の「高専賞」はHMD芸人(チーム、高等専門学校生)の「MRヘッドマウントディスプレイ」に贈られた。現実世界の形状に合わせて、デジタル画像をぴったり重ね合わせて映し出せる「複合現実」を実現するヘッドマウントディスプレイだ。

 ほかにも英Raspberry Pi財団とJapanese Raspberry Pi Users Groupが選ぶ「ラズベリーパイ財団賞」で4件、本コンテストのイメージキャラクターの黒田有彩さんが選ぶ「黒田有彩賞」、協賛企業各社が選ぶ「RS賞」「enebular賞」「オムロン賞」「IoT ALGYAN賞」「KSY賞」など合計50件の作品が表彰された。

 受賞作品のリストは応募サイト「http://nkbp.jp/rpic」で公開している。各受賞作品の詳細は、姉妹誌のラズパイマガジン2019年2月号(2019年1月11日発売)と本誌の次号で紹介する予定だ。

(安東 一真=ラズパイマガジン)