テクノロジーと拡張性の進化に対応、新バージョンのScratch 3.0

「Scratch 2.0の限界は、タブレットで使うことができない点。そのため、作品を携帯可能なデバイス、例えばスマートフォンやタブレットで作成したり実行したりはほぼできなかった。しかしタブレット上で使用できるScratch 3.0であれば、新しいモバイルデバイスで作品を楽しむことが可能になる」と述べ、新しいデバイスで活用できるようにすることが、Scratch 3.0の開発にいたった一つの動機であるとレズニック氏は語った。

 レズニック氏は、もう一つの答えとして、「拡張性の進化」を追加した。モジュール型を採用したScratch 3.0は、BBC:Microbit(マイクロビット)のような小型コンピュータの利用も可能となっている(注:Scratch 3.0の拡張機能を使ってマイクロビットを制御できる)。音声認識や合成も同様に利用可能だ。

「モジュール型によるアーキテクチャを採用したため、Scratchにいろいろな機能を柔軟に追加しやすくなった」とレズニック氏は語る。つまり、Scratchで、外部のセンサーからの情報を処理したり、子どもの声を認識したりできるようになる。新しいデバイスへの対応も拡張性も、子どもたちのクリエイティビティ(創造性)を育てる要因となるだろう。

 村井氏も、同じく新バージョンの開発について質問、「コミュニティはどのように関与したのか」とレズニック氏に問いかけた。

 レズニック氏は「オープンな手法で、開発を進めた。あらゆる人が(Scratchの)開発者に対して、コメントをしてくれた。中心になって開発しているのは確かに私たちだが、多くの人々の協力の上に成り立っている。例えば、ボランティアベースで世界中の人々が、多くの言語に翻訳してくれている。プログラムだけではなく、ビデオでマニュアルを作ってくれた人もいる。以前はテキストと画像だけだったが、現在の子どもたちはビデオ映像に親しんでいるからだ」(レズニック氏)