「ロケットのロガー・パラシュート制御装置」は、芝浦宇宙航空研究開発部で製作した、高さ1.5メートルほどのモデルロケットを制御する装置です(図1)。ロケットの到達高度を随時計測してログを取り、最高高度に達したのを検知して落下時にパラシュートを開く制御をします。打ち上げ時にはパラシュートの制御に成功し(図2)、半年かけて作ったロケットを無事に回収することができました(図3)。

図1 打ち上げたモデルロケットの内部
図2 パラシュートが開いて回収に成功
図3 全長1.5mのモデルロケット

 装置全体の構成としては、制御基板にラズパイのほか、気圧・温度センサーの「BMP085」、加速度センサーの「MPU9250」、秋月電子通商の「GPS受信機キット」、スイッチサイエンスの「Raspberry Pi用広角カメラモジュール」を搭載しています。このほか、パラシュートの放出に使うサーボモーターを備えています。プログラミングにはPythonを使いました。電源は9Vのニッケル水素電池です。村田製作所のDCDCコンバーター「LXDC55」を用いて5Vにしています。

 飛行データを記録するロガーの部分では、上記のセンサーやカメラからのデータをラズパイでmicroSDカードに記録します。気圧の変化から得られた高度データをグラフ化したのが(図4)です。グラフが途切れているのは、パラシュートが開いたショックでラズパイが外れてしまったためです。このグラフから、加速が徐々に緩やかになり、パラシュートが最高点で開いたことが分かります。

図4 気圧変化のグラフ
高度400mまで到達したことが分かる。

 このほか、加速度センサーからのデータでは、発射した時刻や、最高点まで到達するまでにかかった時間などが割り出せました。残念ながらカメラは発射の衝撃でケーブルが緩んでしまい、撮影できませんでした。

二つのセンサーで開傘を制御

 パラシュートを制御する部分では、気圧センサーと加速度センサーのデータの変化を基に最高点への到達を割り出し、サーボモーターでパラシュートを収納している扉を開きます。

 気圧センサーでは、2秒間で20Pa以上の気圧減少が続いたらロケットが発射されたと判断します。そして0.4秒間で10Pa以下しか減少しなくなったら最高点に到達したと判断し、パラシュートを開きます。

 加速度センサーも垂直方向に2G以上の加速が0.3秒以上続いたら発射と判断し、ロケットの設計時にシミュレートで予想した最高点への到達時間である9秒後にパラシュートを開きます。

 二つのセンサーで制御をするのは冗長性を持たせるためです。ロケットは1回しか飛ばせないので、確実に制御する必要がありました。実際、加速度センサーはうまく機能せず、気圧センサーの方でパラシュートが無事に開きました。

 ほかにもロケットならではの難しい面が多くありました。事前テストができないため、加速度センサーは高層ビルのエレベーターで試しました。いったん組み込んでしまうと装置に触れなくなるため、Wi-Fi接続が役に立ちました。急な電源消失時に書き込み遅延が原因でデータが消えることもあり、一定時間ごとにmicroSDカードに強制的に書き込ませる仕組みにも苦労がありました。




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