この連載では、最初から最後まで常にハードを触ること、つまり、ハードを意識することから離れないように配慮していきます(図9)。第1回ではハードウエアであるラズベリーパイの組み立てと初期設定から入り、プログラミングの方はスクラッチ(Scratch)というプログラミング環境を使って感覚をつかみます。

図9●ハードウエアに触れながら製作する(図5のロボットの内部)

 第2回では、ScratchでLEDを光らせてみて、プログラムでハードを制御できるということを体感します。すぐそれに続けて、同じことをプログラミング言語(Python)でやってみることで、Scratchのプログラム構造そっくりにPythonでプログラムを記述できることを理解してもらいます。これはまた、次のステップ以降で、Scratchから離れ、Pythonでプログラムを書くための布石になります。

 第3回ではロボットとして独立行動ができるようにハードとソフトを構築します。第2回と同じLEDを、Webブラウザーからリモートコントロールするのがゴールです。第4回以降は、足、目、口、耳を順次組み上げ、ロボットの機能を徐々にアップします。

 ハードウエアの製作では工学や物理の知識が必要になるところも出てきます(例えば、ギアのことなども知らなければ非力なモーターでロボットを動かせません)。それらは現実の世界を操作するために必要な知識で、本を眺めているだけでは実感しにくいところです。実際に手を動かしてロボットを製作するという過程を通してこれらの知識を学ぶことは、大人、子供にかかわらずとても貴重な経験になると思います。

 最後の耳のところでは、音声でロボットを制御する音声リモコンを作ります。ここまでできると、自宅の家電製品も音声コマンドで制御するなどなど、応用範囲も広がります。


瀬谷 啓介(せや けいすけ)
Double Bind(ダブルバインド)代表取締役社長
「まるごと学ぶiPhoneアプリ制作教室」「アジャイルソフトウェア開発の奥義」 などソフトウエア・プログラミング関連の著書・訳書多数。オンラインIT動画学習サイト「zero2one」を運営。子供から企業までを対象に、幅広くIT教育に関わる。日本TI半導体グループ技術主任、日本AMD次世代製品開発センター部長、 フィルモアアドバイザリー技術統括・執行役員などを歴任。小型飛行機免許所有、理論物理学学士、物性物理学修士。