健康面・メンタル面の問題が増加

 では、具体的にはどのような問題が起こっているのだろうか。前述のデジタルアーツの「第8回未成年と保護者のスマートフォンやネットの利活用における意識調査」では、スマートフォンや携帯電話を利用してからどのような経験が増えたかを聞いている。それによると女子高校生では「寝落ちするまでいじっていた」が45.6%、「寝不足で頭がぼーっとしていたり、注意力散漫になった」が25.2%といった結果が出ており、いずれも前回調査時より増加しているという。

 その他、「頭痛等の体調不良になる回数が増えた」が17.5%、「イライラするようになった」が15.5%、「誰かとつながっていないと不安になるようになった」が13.6%と健康面、メンタル面で心配になる傾向が現れている。「遅刻や休みがちになった」が12.6%と、一部では生活面にも影響を及ぼしている状況が見て取れる。

 総務省情報通信政策研究所の「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査報告書」(2014年7月、報道資料)でも似たような状況が確認できる。スマートフォンの利用を開始したことによって減った時間の1位は「睡眠時間」(40.7%)、2位は「勉強の時間」(34.1%)などとなっている(図3)。

図3●スマートフォン利用開始によって減った時間
(総務省情報通信政策研究所の「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査報告書」(2014年7月)を基に編集部でグラフを作成)

 こうした状況の中、スマートフォンを所有する高校生のほとんどが利用しているLINEについては、その利用者数の増加とも相まって、問題の槍玉に挙げられるケースが増えてきた。

 LINEは送られてきたメッセージを受信者が開くと、「既読」と表示される。この既読は送信者、受信者いずれからも確認できる。そのため、既読が付いたにもかかわらず受信者が返信しない行為を、送信者は「無視された」と捉える場合がある。高校生など若年層は相手に嫌われることを恐れて、自分からメッセージのやりとりを終わらせることができない人が多い。それが原因で深夜までLINEのメッセージを互いに送り続けてしまい、睡眠不足に陥る例が多く見られる。では、このような事態に対して、教育の現場はどのような対応・対策をしているのだろうか。