それはエンジニアだけでなく、すべての人が対象ですか。

 そうです。今までは文系の人ならプログラミングまでは求められないことが多かったでしょう。仕事をするうえでパソコンが使えればよい、具体的にはワードができます、エクセルができます、というスキルでよかったのです。しかし、これからの時代は、よく言われているように、人工知能やロボット、あるいはより身近なところではビッグデータといった、ITそのもの、あるいはITを活用したマシンを使って仕事をすることが当たり前になります。

 人工知能やロボットのような進化するマシンが労働を奪うという、産業革命のときの機械打ち壊し運動(ラッダイト運動)も起こり得ると思います。しかし、脅威におびえ、マシンを打ち壊したとしても、そうした時代が来ることは避けられないでしょう。

 ITの進化とともに社会が変革していく以上、労働のコストが低くて便利な方向に動くのは避けられない。だとすれば、マシンと一緒に働くためのコミュニケーション・ツールとして、プログラミング言語の習得はすべての人に必要だと思います。

学校ではなく、塾で教えればよいのでは。

 お稽古ごとでいいのではないかということですね。お稽古ごとはたくさんあります。プログラミングの必要性は、お稽古ごとのように、多くのなかから好きなものを選んでたしなむというレベルではないと思います。なぜなら、先にも述べたように、今の小学生たちが社会に出る10~15年後の社会は大きく変わっているからです。

 野村総研がオックスフォード大学と共同研究して発表した試算「日本の労働人口の約49%が、技術的には人工知能等で代替可能に」のように、今後の社会環境が大きく変わるという指摘は複数のシンクタンクが発表しています。社会環境が変わる以上、今の小学生が15年ぐらいたって社会に出るとき、彼ら彼女らにとって必要な教養は何ですかと考えると、「プログラミングができない」では話にならないわけです。常識的な教養としてのプログラミングができるかどうかで活躍する場、活躍できる度合いが変わってくるのです。